今回は遠方よりご相談いただいた トレーラーヘッドのECUです
パワータードが効かないと地元ディーラー、電装店で診断した結果ECUの不具合と診断され、内部も焼けているようだとご相談いただきました。
大型車のECUは大変高価な為修理で対応出来ないか?とのご相談で、送っていただきました。
中を開けてみると、お伺いしたとおり内部に焼損した箇所が確認出来ます。
お話では焼損だけお伺いしていましたが、点検していくともう一箇所パンクしているトランジスタを発見しました
原因としては、車両を溶接修正した時に過電流が流れてしまったのでは・・・ とのこと、症状的にも可能性が高いです。
パワータードのソレノイド部からECUに向かって逆起電力が掛かったのではないでしょうか・・・
焼損部拡大
トランジスタのエミッタ部がランドとパターンごと焼けてしまっています
こちらはパンク部
内部が瞬間的に焼損して、その衝撃でモールド樹脂が吹き飛んでいます
露呈した部分のトランジスタパターンが確認出来ます
交換とパターン修正の為にトランジスタを外します。
焼損部のトランジスタを外し、洗浄しました。
トランジスタのランドは完全に失われています。
使用されていたトランジスタが保護ダイオードとプルダウン抵抗内蔵型で特殊だった為、部品の調達が難しく
手持ちの部品に後付けで保護素子を搭載します。
こういうときはやはりリード部品が重宝します、リードを利用してランド部もパターンへバイパスします。
トランジスタの仕様を見積時に見落としてしまい、この労力を請求出来なかったのはナイショのお話・・・
パンクしたトランジスタも同様に交換します
幅が4.5mmのトランジスタですので、顕微鏡を覗きながら慎重にリードを曲げ半田付けします
今回は幸いにも2箇所のトランジスタのみでしたので、かなり費用も安く済みました。
溶接する時は皆様もお気をつけ下さい。
返送したECUをテストしていただき、無事完治したとお喜びのご連絡を頂きました。
同時にECUの配線が加工されていた箇所もお調べして、理由が分かったと大変喜んでいただけました。
そういったご意見が作業する充実感に繋がります。
この度はご依頼ありがとうございました。