今回は整備工場様よりお持ち込みの日産フィガロの専用オーディオです。
症状は CD再生不良・音量小さい・左側が歪む・ラジオが鳴らない です
デッキ自体はクラリオン製で、当社もサービス店ですので、部品を確認するとほぼ全ての部品が廃番、在庫無しとのこと・・・
フロントパネルには多くの傷と擦れ跡が、サイドパネルには接着剤の跡と状態はかなり悪いです。
全体を点検しましたが、CD制御基板・メイン基板・チューナーユニットと全てコンデンサの液漏れが有り状態は最悪です
部品が有れば基板ごと交換してしまえば早い話ですが、今回は全て手作業で修理していきます
まずはCDメカを外し メカ基板を確認します
基板を外しました・・・
なんだか様子が変です、どうやらコンデンサを交換してあるようですが・・・
はっきり言って、汚い、修理が荒い!!
他社の修理ステッカーが貼って有りましたが、もう少し綺麗に修理は出来ない物か・・・
一部を拡大しました
分かる人には分かると思いますが、おかしな箇所を探してみて下さい
答え合わせ
でもないですが、赤丸部はずれて付いています、10uFのコンデンサなんかは浮いた状態で半田付けされています
赤点部は芋半田、代表的な半田不良ですね・・・
他にもありますが、目立つ部分だけ
何も言いません、修正しました。
最初の画像と見比べて、どこを修正したか探して下さい。
と言うか、ほぼ全て修正しましたw
ちなみにCD再生不良は入口部の赤外線LEDの不良でしたので、この修正 実は修理と関係なかったりします・・・
気持ち悪いのは嫌なので・・・ ただ不具合の原因にはなり得るのでしておく方がもちろん良いです。
メイン基板です。
液漏れのダメージ自体はほとんど無いですが、コンデンサの3割ほどが液漏れ・容量抜けを起こしています
残念ながら交換後の写真を撮り忘れてしまいました。
49個有ったコンデンサを全て交換、どうせならと要所はハイグレードオーディオコンデンサに交換しました。
このCD制御基板も15個コンデンサは全て交換
これがチューナーユニットです
一番状態が悪く、画像右側はパターンがかなり浸食されていました。
今回は予算の都合上このユニットは手を着けることが出来ません・・・
そのまま組み上げます。
ディスプレイの表示がおかしい時があったので点検するとフレキケーブルの根元に断線を発見。
これも修理します。
フレキケーブルの断線箇所を拡大しました
画像下側の2本が断線しています
フレキの被覆をめくり、予備半田をしておきます
先ほど予備半田した部分と画像右側の端子部を細い銅線を使って接続します
顕微鏡での作業になるので疲れます
交換したコンデンサの古い物がこちら
合計64個ですので、一気にすると疲れます
傷と擦れ跡のあったフロントパネルも磨いて綺麗にしておきました
接着剤がガチガチになっているサイドパネル
できる限り綺麗にします。
全てを組み上げ、試聴しましたがCDとカセットは問題無く鳴りました、もちろんラジオは無理ですが・・・
ちなみにカセットはメカAssyが交換してあったのか状態が良かったです。
そして、試聴しながら音質の良さに驚きました、オーディオコンデンサが効いているのもあるでしょう、しばしBGMとして快適な時間を過ごしました。
お客様にも喜んで頂けると思います。
この度はご依頼ありがとうございました。
今回のオーディオ修理ですが、メーカーでは修理不能ですし、
本来であれば、基板Assyで交換してしまうものです。
実は基板の値段より手作業での修理代の方が高くなってしまいます。
状態にもよりますので、ご希望の方はお気軽にお問い合わせ下さい。