本日も、遠方の整備工場様よりマセラティ ギブリのエアコンパネル不良によりコンプレッサーが入らないようだとのことでご相談を受け送っていただきました。
方々手を尽くされたそうですが、車が車なので、部品も資料も無く、当社のブログを見つけてご連絡を頂きました。
ケースを開けてみると当時のマセラティらしい挿入部品が並んだ基板が出てきました。
当社では、フェラーリのエアコン修理の実績もありますが、やはり基板は同じような感じでした。
参考にと一緒に頂いた資料から解析すると、画像中央に見えるICがエアコンリレードライバのようです。
回路的にもリレー駆動回路で間違いないようです。
4chICでリレーやブザー、アクチュエーターとバリエーションに富んだ制御回路です。
日本の設計者はこんな設計しませんが・・・
簡易試験回路を組んで試験中
赤ランプが動作中です。
左上、右上のCHが動作しませんでした。
回路的にリレー駆動の回路です。
ドライバICの不良と診断し、新品の部品を用意し同じ試験回路でチェックします。
当然ですが4ch共に問題無く動作いたします。
このドライバICは容量的に長時間使用していると熱を持つようです。
脚部の半田には熱が加わった痕跡がありました。
それにしても、このICを抜くのに非常に苦労しました。
なんと脚のピッチとホールのピッチが微妙に違う・・・
わざと?・・・
パターンがもげるかと思いました。
半田の修正を経てから、新しいドライバICを実装しました。
同じ部品が2個有りましたので、両方交換です。
電解コンデンサも全て交換いたしました。
今回は同じ品番のICに交換するので、今後のトラブル防止に熱対策をします。
大変放熱性に優れた、クールスタッフを貼り付けます。
このクールスタッフ、下手なヒートシンクより放熱性が高いと言われる優れもの。
これで熱のリスクはかなり軽減されます。
フェイスパネル部の半田修正も行い、パネルとケースもクリーニングして全ての作業が完了です。
返送させていただき、無事動作確認が取れたとのことでした。
お客様にもお喜びいただけたと思います。
この度はご依頼ありがとうございました。