以前にもブログに掲載したことが有りますが
今回もフィガロのオーディオ修理です。
あのレトロでかわいい雰囲気のダッシュボードにはやはりこのオーディオが似合います。
ですので、このオーディオを使い続けたいとお問合せも多くいただきます。
こちらのデッキはCDが動作不良、ラジオも鳴らない状態。カセットは動作しておりました。
動作確認が終わったら全体を分解していきます。
左上からカセットメカ、CDメカ
真ん中左からCDメカ基板、チューナー基板
左下からCD制御基板、メイン基板
となります。
CDメカの基板です
この基板には3個の電解コンデンサがついていますが
すべて液漏れを起こしています。
右上についているコンデンサ
漏れた電解液により周囲の端子が腐食し変色しています。
左下側についているコンデンサも同様に液漏れです。
右上部のコンデンサの部分の工程を紹介
コンデンサを外す際、劣化したランドが剥離してしまいました。
周囲の腐食した半田も除去して洗浄していきます。
剥離したランドを銅線を使って接続固定します。
腐食した端子も再半田します。
コンデンサ下側に付いていたコンデンサ部も腐食が激しかったため、一度取り外し、ランドをきれいにした状態で再び実装します。
部品とコンデンサを実装して完了です。
残りのコンデンサ部も修正交換し、全体的な半田の修正も完了した基板。
メイン基板です、コンデンサの液漏れがかなりの数有りますが、逆さ向きに取付されているため基板へのダメージはほとんどありません。
しかし、アンプが有り、音声系のコンデンサが容量抜けしてしまうと、音が歪み。音質も、バランスも悪くなります。
すべての電解コンデンサを交換します。
電解コンデンサの交換が完了しました。
画像では一瞬ですね・・・
なかなか手間のかかる作業なのですが・・・
高音質改造ではないので、通常のコンデンサで修理される方もいるのかもしれませんが・・・
個人的な趣味で通常価格でも音声系にはハイグレードコンデンサを使用しております。
東信工業のUTSJシリーズとBPにはニチコンMUSE ESです。
本当に個人的な趣味です。UTSJの音、結構好きです。
本当ならフィルムコンを贅沢に・・・ やめておきます、会社には内緒です。
カセットをお客様がご使用になるかはわかりませんが、御見積の結果、こちらもコンデンサは交換しておきます。
カセットメカ自体はかなり状態がよく、そのままでも問題なく鳴りますが、念のためです。
ヘッド基板のコンデンサも交換しました。
こちらのチューナー基板が一番重症です。
挿入部品が所狭しと並んでいるため難易度も高いです。
もう、それは必死に作業をします。
すみません、写真を撮ることも忘れてしまいました・・・
CD制御基板の電解コンデンサもすべて交換して、このオーディオに実装されていたすべての電解コンデンサが新しくなりました。
画像は完成テストのCD再生中。
まだまだエージングは必要ですが、なかなかの音です。
あとはオペアンプを交換して、アンプICも交換して・・・ 個人的な趣味でやってみたい・・・
どなたか是非ご依頼ください。
今度はラジオのテスト中です。
実は、その後調べると、なんとびっくり!!
チューナーパックはまだ部品供給が有ることが判明。
交換対応可能です・・・ 苦労したのに・・・
2020/08/19 ついにチューナーパックの生産も終了したようです。
2020/09/08 弊社で在庫しておりました分もすべてが終了しました。 今後は現品修理で対応致しますが、修理費用が高額になります。
さて、すべて問題なく動作するようになりましたので納品させていただきました。
この度はご依頼ありがとうございました。