マツダ ユーノス コスモ メーター修理 オプティトロンメーター

マツダ ユーノス コスモ メーター修理 オプティトロンメーター
こちらは修理完了後の点灯試験

本日はユーノスコスモのメーターの修理

 

こちらのお客様は他社様に2,3社聞いてみたが断られてしまったとの事でご相談をいただきました。

 

予備メーターをお持ちとのことでしたので、そちらを先に修理させて頂こうかとお話ししておりましたが、そんな矢先に現在使用中のメーターも突然真っ暗になり、焦げたような匂いがしたそうです。

 

急遽出先で最寄りのディーラーへ駆け込み、使用中メーターを外して、現地より送っていただきました。

メーターにより

J001 55 430 (157310-2363) JC3S(E) 13B

J001 55 430 D (157310-2364) JC3S(E) 13B

J004 55 430 C (157310-2373) JCES(E) 20B
J004 55 430 D (157310-2374) JCES(E) 20B
の4種類があるようです。
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こちらが使用中だったメーターの基板

届いたメーターを分解して、基板を取り出しました。

 

お客様はこのメーター以外に2台メーターをお持ちでした、1台は元々車両についていた物、残りは中古メーターを入手されましたが、1台は直ぐにダメになり、もう1台が現在使用中のメーターでした。

 

距離合わせをしていただいたようで、1枚目の画像の距離は実走行だそうです。

 

いかにお車を大切にされて、乗っていらっしゃるかが分かります。

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パターンとダイオードが焼けてしまっています。

基板を確認していくと、中央付近のパターンとダイオードが焼けてしまっていました。

 

状態の良い物を修理して下さいと、残りの2台も送っていただきましたが、実に3台ともこの部分にダメージがありました。

 

ダイオードの左上にある大きめのコンデンサが全てのメーターで液漏れを起こしており、酷い物は周囲のパターンがほとんど焼損している物も有りました。

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部品を外して確認していきます。

元メーターと中古メーター(ダメになった物)は、実は修理してある形跡があったのですが、信じられないことにこのコンデンサが交換して有りませんでした。

 

当社では、液漏れが確認出来たユニットについては、必ず全数の電解コンデンサを交換します。

 

当然、製造された時期が同時期の物が実装されているわけですから、順に液漏れを起こす可能性が高いのです。

 

少し特殊なコンデンサでしたので、業者に在庫が無かったのか、意図は分かりませんが・・・

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他のコンデンサも綺麗に見えても液漏れが有ります。

確認を進めていくと、先ほどの物と同様のコンデンサは軒並み液漏れを起こしていました。

 

一見外見からはわかりにくくても、外してみると根元に漏れた液の痕跡があります。

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ショートしてしまった部品を拡大

そして、この部分のコンデンサの根元では、漏れた電解液によって、電源ラインとGNDラインがショートしていました。

 

恐らく、この部分がショートした事がきっかけでダイオード部に過電流が流れ、パターンが断線。

 

そして、メーターのブラックアウトに繋がったのではないでしょうか。

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ショート部品に実装されていた電解コンデンサ

画像のコンデンサがショートした部分に実装されていた物です。

 

ショートした熱で一部が炭化して基板にこびりついていました。

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近くのトランジスタ部も液により腐食しています。

先ほどのコンデンサの下側のトランジスタ部も液により腐食が進んでいます。

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ヒートシンクを外して、陰のダイオード部の確認

さらに点検を進めていくと

 

ヒートシンクの陰になっているダイオード部が腐食していますが、なんだか気になります。

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ダイオードを外しました。パターンが腐食しています。

パターンの様子を確認するためにダイオードを外します。

 

ダイオードの下ではパターンが腐食していました。

 

導通を確認すると、やはり断線しているようです。

 

この部分から修正を始めて行きます。

マツダ ユーノス コスモ メーター修理 オプティトロンメーター
腐食部と酸化膜を除去し、薬剤処理をしました。

腐食部を洗浄し、酸化膜を除去、その後薬剤処理をしました。

 

左上の所で完全にパターンが切れています。

 

右下の部分にも極端に痩せてしまったパターンがあります。

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断線したパターンを復元

断線したパターンは0.15mmの銅線を使用して接続しました。

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痩せていたパターンも銅線で継ぎました。

痩せていた部分も切れてはいませんでしたが、欠損部が大きかったので、同様に銅線で接続しておきます。

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他の部品も補修を進めていきます。

他の部分も洗浄し、半田メッキ等で補修を進めていきます。

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焼けてしまったダイオード部は面実装部品に交換

焼けてしまったパターンとダイオード部は、検討の結果脆くなったホールの使用を断念し、面実装部品に交換いたしました。

 

時代の流れで、こちらの部品の方が遙かに高性能です。

 

実装強度も問題ありませんでした。

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他にも腐食部は多数

他にも腐食部が多数有ったので、全て部品を外して状況を確認します。

マツダ ユーノス コスモ メーター修理 オプティトロンメーター
今後影響が無いように綺麗にしておきます。

今後に影響が無いように綺麗にしておきます。

 

他にも数カ所腐食部を洗浄修復しました。

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ケースや自発光部も経年の汚れが・・・

ケースや自発光部も経年により汚れが付着しています。

マツダ ユーノス コスモ メーター修理 オプティトロンメーター
全て分解し、洗浄しておきます。

これらも全て分解し、洗浄しておきます。

 

こうすることで、点灯した時の明るさや、文字の綺麗さが向上します。

 

尚、車両側のスモークパネルもかなり曇っている事が多く、取付前に洗浄頂く事をお勧め致します。(貴重品ですので取扱注意)

マツダ ユーノス コスモ メーター修理 オプティトロンメーター
メーター自体の基板にもコンデンサがあります。

メーター自体の基板にもコンデンサが搭載されています。

 

液漏れはありませんでしたが、これらも全て交換いたします。

マツダ ユーノス コスモ メーター修理 オプティトロンメーター
修正が終わった基板にコンデンサを実装します。

修正が終わった基板にコンデンサを実装します。

 

特殊なコンデンサも手配してご用意しました。

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反対側の電解コンデンサも全て交換済み

反対側の電解コンデンサも全て交換いたしました。

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裏面の半田も初期クラックが有ったので全数修正

裏面の半田部もかなりの初期クラックが確認出来たので、全数半田修正を行いました。

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点灯試験時に針の欠けを発見

点灯試験をして、無事に点灯したのですが、タコメーターの針に欠けが出ています。

 

この後、スピードメーター側にも掛けが発生。

 

今回はお客様の予備メーターの走行が一番少ないメーターより部品取りさせて頂きました。

 

※注意:指針部のLEDについては、LEDの打ち替えがほぼ不可能です。部品取りが無い場合はこの部分のみ修理対応ができません。
今後、何かしら方法を模索していきます。
2024/08/02 しばらく更新しておりませんでしたが、現在は若干の部品取りを確保しております。ただ、大変貴重な部品取りとなりますので、部品も高額となります。出来る限り多くのコスモユーザー様に車両を維持していただけるよう、若干の点滅の場合は現品を使用いただきますようお願いいたします。
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全ての作業が完了したメーター

全ての作業が完了して、試験中にパシャリ。

 

クリアパネルも綺麗にしてありますので全てが綺麗に見えます。

 

点灯状態は一番最初の画像の通りです。

 

綺麗な仕上がりに、お客様には大変お喜び頂きました。

 

この度はご依頼ありがとうございました。

2021/04 現在までに40台以上のメーターの修理を頂きましたが、

今のところ修理できなかったメーターは無く、修理成功率は100%となっております。

ただし、稀にトランスやマイコンが不良になる個体があり、

部品取りをご用意はしておりますが、修理不能となるケースもございます。

修理歴が不明なメーターは重症化する前に是非、予防修理をご検討ください。

2024/08 修理を行った台数が80台を超えております。

ユーノスコスモの現存台数が数年前に1,000台を切ったという記事を見かけました。

現在では更に減っている可能性が有り、現存する車両の10台に1台ほどは

当店で修理したメーターが装着されている計算となります。

車検が受けられずに廃車とならないよう、これからも尽力させていただきます。