今回はECU不良によりエンジンを始動すると黒煙が出るという車両。
中古ECUが無く、新品も非常に高額で納期不明とのこと。
特装車の為、休車期間がそのまま損失につながるとのことで、なんとかならないかとご相談いただきました。
ディーゼルエンジンのECUはガソリンエンジンより複雑で、かつ故障箇所の判別が難しい傾向にあります。
リスクと、高額になる可能性をご了承いただき、お預かりさせていただくことにしました。
ダイアグコード 13 プレストローク位置センサーの不良 です。
同様の症状を確認しているECU
1枚基板、MC885656 (407910-8500)、MC887975 (407910-8501)、MC887976 (407910-8511)、
2枚基板、ME353022 (407914-6650)、MK322604 (407910-9351)、MK327529 (407914-1730)、MK327098 (407910-9821)、
診断の為にコーティングを除去します、非常に除去が大変な種類のコーティングでした。
こちらの基板がポンプ制御用、もう一枚の基板が車両制御用のようです。
実はこのECU、ZEXEL製の同型ポンプを使用しているエンジンは、ほぼ同じ基板で制御されているようです。
さらに、このダイアグ13番は発生頻度が多いようで、この後も複数の車両でご依頼を頂きました。(UDの場合 ダイアグ 1-3)
三菱フソウ系の車両とUDトラックス ビッグサム(RF8・RG8)で確認しております。
プレストローク位置センサー(ラックセンサー)は交流波形を出力し、応答信号を回路処理して、検出しているようです。
かなり難航致しましたが、苦労の末、発振回路に不具合があることを付き止めました。
原因にたどり着くまでに、どれだけの部品を脱着し、単体試験を行い、特性を調べ、回路を解析した事でしょう。
本当に、内部の回路図が手に入ればと思いますが、メーカー様が公開することは絶対に無いでしょう、まさに企業秘密ですから。
修理を終え、コーティングを施工した基板です。
組み付け、実車で正常に動作することを切に願いながら納品させていただきました。
結果は正常動作するようになったとのことです。
このときは、苦労が報われたことでとてもうれしかったです。
お客様にも大変お喜びいただきました。
この度はご依頼ありがとうございました。