今回はユーノスコスモの車速センサーの修理のご依頼を頂きました。
スピードメーターが途中で落ちてしまう・フワフワと動き一定速度以上に上がらないといった症状が起こります。
全く動かない等の場合はメーターの異常の可能性も有りますが、こちらの症状の場合は、HOLDランプが点滅し、車速センサー異常のダイアグが入力されるようです。
単体試験を行うと、やはり途中で波形が乱れ、欠けてしまっている事が確認出来ました。
本来はこのようなセンサーは修理不能で、新品・中古品への交換となるのですが、新品の供給はすでに無く、センサーの中古品も出回っておらず、ミッションAssyで入手される業者様もおられるようです。
当店が得意としているユーノスコスモですし、少しでもお力になれればとのことで、リスクと費用をご了承頂き、現品修理の可能性を探っていきます。
当店でも、車速センサーの修理は初めての事例です。
内部はこのようになっており、肝心の回路は完全にモールドされています。
O/Hも兼ねますので、劣化したグリースを除去し、機械部品を洗浄致します。
内部の部品にダメージを与えてしまうと、修理不能となってしまいますので、安易に開ける事は絶対にやめてください。
モールド樹脂を除去し、回路から部品を推測します。
使用されていた部品は専用品だったため、耐久性や仕様を検討し十分な性能を有する部品に交換致します。
おそらく、純正品より耐久性が高くなると思われます。
グリースに付いても、高性能品を贅沢に使用します。
修理後のセンサーの出力波形です。
高速域でも綺麗な波形が出力されています。
最後の復元については、耐久性や再修理を考慮してステンレスバンドで固定致しました。
どこかで見たことのあるバンドですね、耐久性は折り紙付きです。
納品後、実車試験を行って頂き、100キロ以上でも正常に動作することを確認頂けました。
これで、車速センサーは半永久的にメンテナンス可能になりました。
この度はご依頼ありがとうございました。
※ 上記でも記載の通り、当店以外で開封されたセンサーの修理はリスクが高く、お受けすることが出来ませんので、開けてみることは絶対にやめてください。